とある日に「九州でラーメンに詳しい人は”バリカタ”なんて注文しない」なんて話を聞きました。
言われてみればその通りな内容だったのですが、どうも腑に落ちない。
九州全域で考えれば、バリカタとの相性が悪い麵は当然登場します。
それがラーメンと言うものです。
ただし、福岡に存在しているバリカタの文化には、福岡特有のラーメンの歴史が存在しています。
そこを語らずに、バリカタを語らないでくれ!
と対抗心が湧いてきましたので、豚骨ラーメン大好きな僕が博多豚骨ラーメンを120%楽しむ方法を紹介します。
本記事では
- 福岡でラーメンを食べてみたい!
- 福岡のラーメン文化を楽しみたい
そんな人の役に立つ記事にしていきます。よろしくお願いします。
福岡3大ラーメンの勢力図
ラーメンを楽しむために必要なのは、その地域ごとの特徴を知ることです。
福岡の豚骨ラーメンは提供される地域によって、呼び方が変わっていきます。
そのあたりをざっくり解説していきます。
どれも美味しいよ
博多ラーメン
まずは、多くの人に馴染みがある「博多ラーメン」です。
観光客の人に親しまれている分、全国や海外に店舗を出しているお店が多い定番ジャンルとなっています。
一蘭、博多一幸舎、shin-shin
と言った感じのお店が有名なのが博多ラーメン。
みんながイメージする「定番の豚骨ラーメン」
極細ストレート麺、濃厚豚骨。
この二つを採用しているラーメンの多くが当てはまります。
- 主に博多区で提供されている
- ラーメン屋さんが「博多ラーメン」を名乗っている
これらの特徴を持っていれば「博多ラーメン」と呼んでしまって問題ありません。
提供エリアに博多なら博多ラーメン。
僕の地元の場合は、筑豊ラーメン。そんな感じ。
極端な話、福岡市で提供されているラーメンで特にお店が「〇〇ラーメン」って名乗っていなければ、博多ラーメンでもいいです。
細かいこと気にしてはいけません。
見出しと違うって?気にしないことが大切なのです。
長浜ラーメン
福岡ラーメンの文化を生み出したのが「長浜ラーメン」です。諸説あり。
ちょっと詳しい方であれば「元祖長浜屋」が思い浮かぶと思います。
福岡ラーメン文化というのは「極細ストレート麵」「替え玉」「カタ麵」のことです。
この独特な文化が生まれた背景は、長浜ラーメンが生まれたエリアが関係しています。
豚骨ラーメンは「久留米」→「博多」→「長浜」
の順番で広がったと言われていて、後発の影響力が強かった。
※諸説あり
魚市場で働く人へ「スピード特化のラーメン」
長浜ラーメンの始まり「元祖長浜屋」の近くには、魚市場がありました。
早朝・深夜に働く市場の人たちには、せっかちな人が多く。
もっと、早く!
もっと、早くラーメンを作ってくれ!替え玉もくれ!はよ!!!
このニーズに対応するため「早く茹で上がって」「スープと絡みやすい」極細ストレート麺が採用されました。
そして、更なる時短を求めた結果、ゆで時間を短くした「カタ麵」が生まれました。
これが福岡県全域に広まったことで、現在の福岡ラーメン文化が存在しています。
もっと細かく語っていくとキリがないので、博多ラーメンを市場の人向けに特化させたラーメンという知識があれば問題ありません。
要は、博多ラーメン。
久留米ラーメン
豚骨ラーメン歴史の始まりは、諸説あります。
そのうちの一つ、久留米ラーメンが豚骨の始まり説は、僕も支持している説になっています。
久留米というのは、非常にグルメ情報が充実している町で美味しい料理がたくさん存在しています。
治安は悪いけどね。
豚骨発祥の地で作られる濃厚ラーメン?
久留米ラーメンは、福岡ラーメンの中で最も濃厚な豚骨ラーメンを提供してくれます。
圧倒的な豚骨のパンチと香りを楽しむなら、博多ラーメンよりも久留米ラーメン...。
と言いたいところですが、久留米に拠点をがある大砲ラーメンさんは下記のように、ラーメンについて語っています。
現在、全国のラーメンを分類化すると、一般的には「豚骨・醤油・味噌・塩」と、スープの特徴によって大きく4種類(いわゆる四大ラーメン文明)に分けられていて、各地のご当地ラーメンも基本的にはこの4つのカテゴリーのどれかに属すると言われています。
しかし、僕は最近このラーメンの分類化に疑問を感じています。たとえば、豚骨という食材は豚骨ラーメンだけに使われるものと思われている方も多いようですが、実際は、関東の琥珀色の醤油ラーメンにも、函館の透き通った塩ラーメンにも、そのスープの主な素材として豚骨が使われているのです。ただし、そのスープには、鶏骨や様々な野菜類、そして昆布・鰹のような海産物などの食材が、豚骨と組み合わされています。
一方、九州の豚骨ラーメンも、店によっては豚骨の他に鶏骨や野菜を加えるところもあり、また多くの店が豚骨スープの隠し味として醤油を使用しているのも事実です。
このように「豚骨100%のスープが豚骨ラーメンで、スープに豚骨以外の食材を一つでも加えたら豚骨ラーメンではない」という素材による分類化、そして「スープに含まれる醤油や味噌などの調味料の有無」での分類化、近年このいずれの分類化にも矛盾が生じてきました。
さらに、近ごろは全国的に豚骨ラーメン(スープ)がブームのようで、関東や札幌などでは、元々その土地に根付いていたラーメンに豚骨ラーメンが合体したような、濁った新種のスープに人気があり、いつのまにか「豚骨しょうゆ」とか「豚骨みそ」「豚骨しお」という新しいラーメンのカテゴリーが加えられるようになりました。
言うまでもなく、その新しいカテゴリーにもハッキリした定義はありません。
かくのごとく、ラーメンの分類化を豚骨という “素材” や醤油や味噌という “調味料” だけで単純に分類化するのは、不可能な時代になってしまいました。
香月均史のラーメン学 - 大砲ラーメン
こう言ったコメントの他に、大砲ラーメンの社長に取材をした記事があり、それを拝見させていただいた結果
そもそも、福岡ラーメンに定義はない
と言うことがわかりました。
「福岡のラーメンはこうだ!」と語ろうとしていた自分が恥ずかしい...。
ラーメンについて調べているとラーメンは味で分類してしまうのはあまり良くないのかもしれない,,,、
そう考えるようになりました。
僕の知識量では地域で分類するのが精一杯なように思えます。
例えば、一言で博多ラーメンと称するラーメンはさらに細分化することが可能です。
「○○系博多豚骨」みたなやつ
ラーメンは日々進化していて、明日にはまた新しいジャンルが生まれる可能性も秘めています。
それらに対して「○○じゃないと博多ラーメンじゃないよ!!」なんてことは言えません。
博多ラーメンと言う名前のDNAがあるわけじゃないですからね。
大砲ラーメンさんのラーメン学は、本記事を作る上で大変勉強になりました。
福岡のラーメンの食べ方
福岡県のラーメン事情について知ることができた後は、ラーメンを美味しく食べて行きましょう!
ラーメンに詳しい人は「あれがいい!」「これがマナー」と色々な食べ方を提唱しています。
ただ、僕個人の意見としては
好きなように食べたらいい
とだけ言いたいです。
そうは言っても、これだけじゃ何の参考にもなりません。
なので、一つの例として僕が博多でラーメンを食べる時の流れについて紹介させてください。
初手「バリカタ」
僕は、初手で頼む麵の硬さは「バリカタ」にしています。
その一番の理由は
福岡のラーメン文化を楽しむため
福岡県全域に広まっている「カタ麵」の文化を楽しむのであれば「バリカタ」が一番だと考えています。
福岡県内の多くのお店で採用している麵の硬さはこんな感じです。
- バリカタ
- カタ
- 普通
- やわ
- バリやわ
ちなみに、「カタ麵」文化の始まり長浜ラーメンを提供しているお店の中には
- バリカタ ⇒ ナマ
- カタ ⇒ カタ
- バリやわ、やわ ⇒ やわ
と言い換えする場合があります。どちらにしても意味は通じるので問題ありません。
お店よってはバリカタを快く思わない場合があります。
その時はお店のオススメに従って食べると非常に美味しいラーメンを食べることができます。
「絶対にバリカタにしろ!」なんてことはありません。
ラーメンを食べる!
ラーメンが届いたら勝負開始です。
バリカタ麵で注文をした人は、最速で麵をすすりましょう!調味料を使うときも、手早く使うことでより楽しめます。
のどに詰まらせないよう、気を付けてね。
これには2つの理由があります。
- 福岡ラーメン文化を楽しむ
- バリカタは麵がのびやすい
1つ目は「バリカタ」を注文した理由と同じですね。徹底的に楽しめ!
2つ目の理由、これが非常にポイントとなっています。
「ゆっくり食べたいから、バリカタで!」
「バリカタなら、ゆっくり食べられる」
みたいな話をよく聞きますが、実は逆です。
バリカタは麵が充分な水分を吸っていないので、麺がスープを吸ってしまいます。
普通のペースで食べる分にはそこまで影響はないですが、ゆっくりしすぎると通常より早いペースで麺がのびてしまいます。
食べるスピードに自信がない時は、普通~やわにするといいよ!
替え玉注文「麵は好きな硬さでOK」
1杯目を楽しんだ後は、替え玉を注文します。
僕は、麺を全体の3分の2ほど食べたタイミングで注文することをオススメしています。
するとちょうど食べ終わるタイミングで、麺が届いて手を止めることなくラーメンを食べ続けることができます。
ついでに、スープが冷めにくくなるよ。
コツは注文後1分~2分以内に麺を食べきる自信があるタイミングで注文をしてください。
店舗によって差はありますが、これによってベストなタイミングで麺が届く可能性がグッと高まります。
麵の硬さは、自分が美味しいと思う好きな硬さを堂々と注文しましょう!
僕は、カタor普通
無論、時間がない時はバリカタ一択です。
これで電車の時間ぎりぎりでも、ラーメンを食べることができます。
5~10分あれば、全力ペースで替え玉まで完食出来る。
気分は市場の職員さん。
これもある意味、現地の食べ方なのかもしれません。オススメはしない。
スープは飲み干さない
僕がラーメンを食べる時、必ずスープは残します。
ラーメン好きの中には「スープを飲み干すのはマナーだ」と言う人が多い傾向ですが、僕はそうは思っていません。
「絶対にスープを飲み干さないと」
と思いながらスープを飲むのは、ラーメンを楽しんで食べているとは言えません。
特に後半は「マナー」を理由に義務感で飲むことになってしまうから味もわからなくなります。
それでは非常に勿体ない。
スープは味わいながら、無理のない範囲で飲みましょう。
お店の人への感謝の気持ちさえ忘れなければいいのです。
普通に高血圧とか気になる。
退店は速やかに
店舗によっては、次の人が待っていることもあります。
いま列に並んでいる人達が、少しでも早く美味しいラーメンにたどり着けるようにする。
これが唯一のラーメン屋マナーと言っても過言ではありません。
ただし、食べるスピードは無理をしないでね。
お店の人に、感謝の気持ちを伝えたら速やかに退店しましょう。
これにて、福岡でラーメンを食べる手順は終了です。
退店後は少し外の風にあたりながらお散歩をすると、とても気持ちいいので、オススメですよ。
知っているだけで楽しめる
ラーメンに限らず、地域の名産品や地元料理というのは、何かしらの歴史があったりします。
今回は「博多ラーメンを楽しむ方法」として記事を作りましたが、今日話した内容を知らなくてもラーメンは美味しく食べることができます。
ですから、決して、
この豚骨は、○○ラーメンと言ってね~。○○ラーメンを知らない?○○r...。
なんて語りださないよう気を付けましょう。友達をなくします。実話。
僕が「たこ焼き」ができた理由を知らなくても、美味しくたこ焼きが食べれているのと同じようなものです。
けれども、ここに「豆知識」が加わることで、美味しいラーメンを楽しみながら食べることができるようになります。
歴史や土地柄がわかると、面白いよね!
そんな感じです。
せっかく食べるのなら、ちょっと知っていると楽しめる情報を持っておく方が、僕としてはオススメです。
事前知識があると期待値が高まって、食べたときのインパクトが強くなります。
期待値が大きくなりすぎると逆に失敗しますが、ある程度であればこれほど効果的なスパイスはありません。
そこそこの期待値を作るために、本記事で提供した情報が役に立ってくれれば幸いです。
オススメの博多ラーメン屋
最後に僕の推しラーメン屋を紹介したいと思います。
僕の推しラーメンは「博多一双」です。
博多一幸舎で修行をした人が、独立開業をしたお店なのでスープの見た目は博多一幸舎を思わせる雰囲気があります。
博多一幸舎よりも1つ多い煮出し工程を踏むことで、とても濃い豚骨に仕上がっています。
こってり濃厚な豚骨ラーメンなのに、
本当にこってりラーメンなのか?
と感じるほどに食べやすいのも、この博多一双の特徴だと思います。
福岡にお越しの際は、是非とも立ち寄って見てください。